WEB問診システムの選び方・導入メリットを各メーカー担当者に取材

クリニック開業の準備では、電子カルテの他に、それに紐づくITシステムを検討する方も多いはずです。

本記事では、開業準備中に検討されるITシステムのひとつ、WEB問診システムにフォーカス。

医師は、選定する際にどのような点に注目すればいいか、そして具体的にどのようなWEB問診システムがあるのかを解説するため、WEB問診システムを提供する2社に取材しました。

協力してくださったのは、「WEB問診SymView」を提供する、株式会社メディアコンテンツファクトリーの谷口愛さんと、「メルプWEB問診」を提供する、株式会社flixyの吉永和貴さん。

WEB問診システムについての知識を増やし、導入検討の判断材料としてご活用いただければ幸いです。

目次
  1. Q. WEB問診システム導入のメリットを教えてください
  2. Q. WEB問診システム導入の課題点・デメリットを教えてください
  3. Q. WEB問診システムの選び方:問診システムの選定で見るべきポイントとは?
  4. 【メーカー担当者が解説】「WEB問診SymView」「メルプWEB問診」それぞれの特徴
    1. WEB問診SymView:カルテや予約システムとの連携も◎。サポート面も安心
      1. Q. 「WEB問診SymView」のポイントを3つ教えてください
      2. Q. 料金を教えてください
      3. Q. 利用者からはどのような意見・感想がありますか?
      4. 「WEB問診SymView」の機能(一部抜粋)
    2. メルプWEB問診:医師が開発し、現場に根ざして考えられた問診システム。全ての電子カルテに問診内容を送信
      1. Q. 「メルプWEB問診」の特徴やポイントを3つ教えてください
      2. Q. 利用者からはどのような意見・感想がありますか?
      3. 「メルプWEB問診」の機能(一部抜粋)

Q. WEB問診システム導入のメリットを教えてください

谷口さん
導入のメリットはいくつかあります。まずは、来院前に問診を入力することで、医療機関側は業務効率改善、診察効率の向上が期待できます。
患者さんは待ち時間短縮、他の患者さんとの接触軽減などが可能です。

また問診で、興味のある治療や検査についての質問を加えれば、患者さんの潜在的なニーズへのアプローチが可能となり、マーケティングにも役立てられます。

あわせて、2020年の2月頃から流行した新型コロナウイルス対策だけでなく、感染症対策のトリアージとして、患者さんは自分のスマホで入力し、医療機関側では入力された問診を確認する、という流れになることで、全体的な接触軽減が実現できます。問診の内容を見て、その医師が専門ではない症状の患者さんだとわかれば、スムーズに他院を紹介できるようにもなります。

電話診療・オンライン診療でも、WEB問診で事前に情報を記入してもらうことで、症状の詳細な情報収集だけでなく、重症の方には早急な来院や専門病院を紹介することも可能になります。迅速かつ適切な診療につながるといえます。

吉永さん
患者さんの診察前の待ち時間が減るので、患者満足度の向上につながります。実際、「メルプWEB問診」を導入した医院のGoogle Mapの口コミには、問診についてのポジティブな意見を書いてくれた患者さんもいました。

その他のメリットは、感染症の対策につながる点です。紙の問診票を使うと、院内で問診票を手渡しし、ボールペンやボードは使い回します。WEB問診では「手渡し」や物品の「使い回し」の機会がなくなるため、感染リスクの削減につながります。

Q. WEB問診システム導入の課題点・デメリットを教えてください

谷口さん
WEB問診システムは、スマホやタブレットを使って記入する必要があるので、高齢者が多い地域・診療科目だと利用率が上がりにくい場合があります。
訪れる患者さんの年齢層などを見ながら、導入を検討してみるといいかもしれません。
吉永さん
たしかに、ご高齢の方やWEBでの操作に不慣れな方が多いクリニックの場合は利用が難しく、スタッフによる代行入力をすることもあるようです。
導入したばかりの頃は代行入力をする人手が必要ですが、2、3ヶ月サポートすれば、70代まででしたらご高齢の方でも一人で記入できる場合が多いです。患者さんの慣れなども見ながら、デメリットに対処していく必要があります。

Q. WEB問診システムの選び方:問診システムの選定で見るべきポイントとは?

谷口さん
サポートの手厚さと迅速さが重要だと思います。
というのも、問診システムは日々の診療で欠かせないものです。忙しい診療の中で、導入時のセットアップや問診内容のカスタマイズをすべて医療機関で行うのは難しいと思います。訪問でのサポートやレクチャー、チャットなどを使った迅速な対応をしてくれるかどうかチェックすることをおすすめします。

また、問診内容をゼロから作成するのは時間がかかります。事前に問診のフォーマットがあるかどうか、そして、自分が聞きたい項目をカスタマイズできるのかを確認してみてください。忙しい医師が手間なく運用できるWEB問診システムだと、ストレスなく、長く使えるのではないでしょうか。
吉永さん
ひとつは、オプションも含めた価格です。表面的な安さだけで選ぶと、オプションで費用が増える可能性があります。事前に、必要な機能・サポート内容をすべて伝え、見積もりを出してもらうといいでしょう。
全体の料金を把握し、比較・検討してから契約に進んでください。

もうひとつは、問診カスタマイズがどの程度できるかの確認です。使い始めてからの問診内容修正の容易さも大きなポイントだと思います。

設定方法や運用方法など、事前のデモ体験で確認したり、メーカーの担当者に詳細を聞いたりしてみてください。

【メーカー担当者が解説】「WEB問診SymView」「メルプWEB問診」それぞれの特徴

WEB問診システムそのものの導入メリットや選び方がわかったところで、具体的なサービスの特徴を各担当者に解説してもらいます。

WEB問診SymView:カルテや予約システムとの連携も◎。サポート面も安心

Q. 「WEB問診SymView」のポイントを3つ教えてください

・電子カルテ、予約システム各社と正式な連携調整を実施
・すぐに使える各診療科目の共通問診をご用意。各種スコアテストにも対応。(オリジナル問診作成も可)
・充実のサポート体制。レクチャー訪問、チャットサポートによる迅速なレスポンス

谷口さん
「WEB問診SymView」は、電子カルテや予約システムとの連携で業務効率向上を目指しています。問診に詳細な質問を設ければ、予備問診の手間も軽減できます。
谷口さん
特に、「医療資格をもったスタッフには(問診以外の)より専門的な業務に従事してほしい」とお考えの医師におすすめです。

また、
・事前に問診を実施することで患者さんの待ち時間を短くしたい
・診察時に緊張して医師に伝えたいことを伝えきれないと感じる患者さんを減らしたい
など、患者さんの負担軽減、患者さんに寄り添った診療をしたい医師にも有効なサービスだと思います。

Q. 料金を教えてください

谷口さん
基本的には、税抜きで初期費用が27万円、月額費用が1万2,000円となっています。

ただ、電子カルテや予約システムとの連携費用が別途かかる場合があります。具体的な費用は、各メーカ様に直接お問い合わせいただければと思います。

Q. 利用者からはどのような意見・感想がありますか?

谷口さん
医師からは「紙問診の手入力や看護師の予備問診に時間がとられることなく、診察がスムーズになり、待ち時間が短縮できた」との声や、患者本人が症状を伝えられない小児科の場合「付き添いが誰であろうと詳細な問診がとれ、診断に必要な情報が集められるので助かる」との感想をいただきました。

スコアテストについても、「WEB問診SymView」では自動計算されるので「作業が非常に楽になった」と好評です。

また、スタッフの教育にも役立っているという声もありました。問診内容を自院に合わせてカスタマイズすることで問診がフォーマット化され、経験の少ないスタッフでも問診業務がしやすくなったようです。


患者さんからは、「子供を何人も連れて紙問診を書くのは大変だったが、スマホで空き時間に記入しておけるので楽」「紙を書くのは面倒だが、スマホで選択するだけなので記入しやすい」との感想をもらいました。

また、いざ診察室に入ると緊張して聞き忘れてしまう、伝えたかった症状や出来事を言い忘れるといったことの防止にもつながったと聞いています。

「WEB問診SymView」の機能(一部抜粋)

参考として、以下に「WEB問診SymView」の機能を掲載します。内容や詳細については、「WEB問診SymView」公式サイトにお問い合わせをしてみてください。

機能名概要
トリアージ用のラベル機能患者が回答した問診内容から、自動で患者にラベ
ルを付けます。これにより、重症度の把握や感染
疑いの確認が可能です
所見入力機能患者が入力した問診へ、医療機関側が追記する
機能です
ダッシュボード機能WEB問診を利用した回答から、症状だけでなく
来院のきっかけなど各種分析が可能です
問診のカスタマイズ質問や選択肢の文章、電子カルテへの記載テキ
スト、質問の出現条件などをカスタマイズでき
ます。医療機関独自の新規の質問なども、ご要
望に応じてサポートデスクにて対応。また、例
えば、診療科目ごとや専門外来、予防接種など
複数種類の問診票も設定できます
画像アップロード機能患者さんがスマホで撮影した写真をアップロー
ド可能。患部や保険証などを事前に確認できます
画像OCR機能撮影した画像からテキストを自動生成。患者さん
が持参した紹介状の手入力やスキャンの手間を
軽減
多言語問診対応日本語のほか、英語・中国語・韓国語・ポルトガ
ル語の標準問診を用意。患者側の問診入力画面は
各言語で表示され、問診回答結果は自動的に日本
語に変換されます

メルプWEB問診:医師が開発し、現場に根ざして考えられた問診システム。全ての電子カルテに問診内容を送信

Q. 「メルプWEB問診」の特徴やポイントを3つ教えてください

・現役医師が自らプログラミングを組み、開発
・予約システムとの連携が可能、全ての電子カルテに問診を送信
・医院の管理画面で、いつでもリアルタイムに問診の項目を修正可能

吉永さん
特に、患者数が多く患者さんの診察前の待ち時間を減らしたいクリニックにおすすめだと思います。これまで、例えば紙の問診票からカルテに書き写す時間が一人につき1分30秒かかっていたとすると、「メルプWEB問診」では3秒に短縮できます。
吉永さん
約30分の1の時間に削減できるため、スタッフの負担も軽減できます。

Q. 利用者からはどのような意見・感想がありますか?

吉永さん
まず、医師からは「自分たちでWEB問診を随時変更できる点が非常によかった」との声をいただいています。料金は非公開ですが、価格の安さから導入のハードルが下がっていると感じます。

他には、スタッフが問診業務にあたる時間が減ったことで、他の作業に時間をまわすことができ、診察時間が短縮。その結果、患者さんの待ち時間削減に繋がったとも聞いています。

また、口頭で問診を行うと、クリニックにいる他の人に聞かれてしまう可能性があります。「メルプWEB問診」では、オンライン上で詳しく症状を聞けるので、他の患者さんがいる前での問診がなくなり、患者さんのプライバシー面についての不安が少なくなったとの声もございました。


患者さんからは
・チャット形式の問診なので、先生とやりとりをしている感じで自分の症状を伝えられたという安心感が生じた
・LINEのような反応のはやさが、用紙に書き込むより簡単だ
との反応のほか、
小児科に通う方からは「片手で抱っこしながら問診入力できるし、保育園からの呼び出し時にも、出先から先に入力しておけるので助かる」との声もいただいています。

クリニックに着いてから問診票を書いたり、熱を測ったりする作業がなくなり、体調が悪い患者さまや付き添いの方の負担軽減にもつながっています。

「メルプWEB問診」の機能(一部抜粋)

参考として、以下に「メルプWEB問診」の機能を掲載します。内容や詳細については、「メルプWEB問診」公式サイトにお問い合わせをしてみてください。

機能名概要
問診マーケット導入クリニックのうち、他のクリニック向けに
公開OKとおっしゃっていただいた医院の問診内
容を公開。現在100医院ほどを公開中です。導入
クリニックの問診を叩き台にして、自院向けにア
レンジして作成が可能
問診のカスタマイズ質問・回答はいつでもクリニック側で
自由に作成・修正可能
問診表示のカスタマイズ患者さんが回答した問診の表示方法を、文章表示
や箇条書きなど自由にカスタマイズ可能
問診集計作成した問診を自動で月次集計。画像・エクセ
ル・CSVで出力、印刷も可能です
ワクチン問診・同意書問診患者電子署名機能があり、予防接種問診や同意
書にも使えます
事前お知らせ配信患者さんの回答に応じて、必要な検査や処置を
事前にお知らせすることができます
緊急度表示患者さんの回答に応じて、緊急度を表示。緊急性
の高い患者さんを優先的に診察室に呼ぶことが
可能です
OCR機能紹介状やお薬手帳など、紙の書類をOCRで
スキャンして文字情報のみを電子カルテにワン
クリックで貼りつけることができます
多言語問診患者様は多言語対応したWEB問診を記入し医師
側には日本語で問診結果が表示されます。
英中韓スペイン・ポルトガル・ベトナム語対応
電話診察機能クレジット決済機能搭載の電話診察に対応して
います。電話診察用の問診に回答した場合、問診
終了後にクレジット情報を入力します




※本記事の情報は、2020年5月28日時点のものです。

谷口 愛

株式会社メディアコンテンツファクトリー マーケティング本部 | 谷口 愛

元ホテルマン。株式会社メディアコンテンツファクトリー(以下、MCF)に入社後、接客のスキルを生かし女性初の営業としてトップセールスに。出産・育休を経て、営業視点を生かしながらMCFのマーケティング/インサイドセールスに従事。医療経営士3級。


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吉永 和貴

株式会社flixy 代表取締役 | 吉永 和貴

医学部生時代に医療情報配信のサービス開発をきっかけにプログラミングならびにデータ解析にはまる。慶應義塾大学医学部卒業後、東京ベイ・浦安市川医療センターで初期研修を終了し、2016年9月に株式会社フリクシーを創業。国立国際医療研究センター総合内科勤務。


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