メーカー担当者に聞く クリニック予約システムの費用や導入メリットを紹介

新規開業にあたって、近年では予約システムを導入するクリニックも増えてきています。2019年の調査では、新規開業のクリニックのうち、62%が予約システムを導入していたそうです。

参考:「新規開業クリニックの主要医療ICT機器のうち、電子カルテの導入率は全体で95%、予約システムの導入率は62%」(株式会社矢野経済研究所)

クリニックへの導入が進む予約システムですが、選定にあたって医師が注目すべきポイントや具体的な機能などを知るため、予約システムを提供する2社に取材しました。

今回、ご協力いただいたのは、「3Bees」を提供する、株式会社メディ・ウェブの牧内啓行さんと、「MEDICALPASS」を提供する、UnKnot株式会社の森井洋さんです。

予約システム導入のメリット・デメリット、それぞれのサービスの特徴などをご紹介いただきましたので、予約システムを選定する際にはぜひ参考にしてください。

目次
  1. Q. 予約システム導入のメリットを教えてください
  2. Q. 予約システム導入の課題点・デメリットを教えてください
  3. Q. 予約システムの選び方:予約システムの選定で見るべきポイントとは?
  4. 【メーカー担当者が解説】「3Bees」「MEDICALPASS」それぞれの特徴
    1. 3Bees:経営分析ツールやメッセンジャー機能など、多種多様な機能で理想のクリニックの実現をサポート
      1. Q. 「3Bees」のポイントを3つ教えてください
      2. Q. 料金を教えてください
      3. Q. 利用者からはどのような意見・感想がありますか?
      4. 「3Bees」の機能(一部抜粋)
    2. MEDICALPASS:洗練された画面デザインと、直感的に使えるシンプルさを追究した、みんなに優しい診療予約システム
      1. Q. 「MEDICALPASS」のポイントを3つ教えてください
      2. Q. 料金を教えてください
      3. Q. 利用者からはどのような意見・感想がありますか?
      4. 「MEDICALPASS」の機能(一部抜粋)
  5. その他クリニック向け予約システムを紹介
    1. ドクターキューブ
    2. メディカル革命 by GMO
    3. Airリザーブ
    4. ヨヤクル

Q. 予約システム導入のメリットを教えてください

(画像提供:株式会社メディ・ウェブ)
牧内さん
患者さんにとっては、待合室の待合状況と診察までの待ち順番がわかることです。それだけで、患者さんの不満が大幅に軽減するというメリットがあります。
(画像提供:株式会社メディ・ウェブ)
牧内さん
さらに、診察予約で空いてる時間帯に予約枠を増やし誘導することで、曜日による患者数の波を均等にできます。
森井さん
クリニック内の混雑の緩和や集患・増患などを計画的に行い、患者さんの来院を平準化することが可能です。

また、患者さんが待合室で待つ時間を最小限にとどめることができるため、問い合わせ対応が減って業務効率が改善したり、院内感染の危険性も大きく軽減されます。

Q. 予約システム導入の課題点・デメリットを教えてください

(画像提供:株式会社メディ・ウェブ)
牧内さん
ご高齢の方など、対面での受付をする患者さんが多いクリニックの場合、ネット予約は敬遠される傾向にあります。

まずはネット予約に限らず、窓口での次回予約や電話での事前予約をしていただくことで、患者さんにも「朝早く順番取りで並ぶより、きっちり予約を入れたほうが得だ」と考えていただけるようになります。

実際に予約の便利さを知っていただければ、患者さんの認識や行動も自然に変わってくると考えています。
森井さん
すでに開業済みでとても複雑な運用をされているクリニック様の場合、それに合った予約システムの導入は難しい場合がございます。

そのため、システムとの兼ね合いなども含めて運用を検討できるように、予約システムは開業時から導入することをおすすめいたします。

Q. 予約システムの選び方:予約システムの選定で見るべきポイントとは?

牧内さん
まず、導入予定の電子カルテと予約システムとの連携を確認しておくといいと思います。連携実績のあるシステムと実績のないシステムがありますので、そこを確認せず導入した後で連携が難しいとわかると大変です。また、メーカーによっては別途、連携費用が必要な場合もあるので、予約システムの担当者に確認をしておくと良いでしょう。

ほかにも、導入した予約システムを自院のホームページにどう埋め込むのかなど、実際に運用する上での導入イメージを持っていると良いと思います。予約システムを導入すると患者さんは待ち状況を確認するのにホームページを見るため、ページのアクセス数も上がります。これを踏まえて、ホームページでのレイアウトや文面などもホームページの制作会社と打ち合わせしておくことをおすすめします。
森井さん
実際に運用するにあたって、導入時の習得に時間がかからないものだったり、運用相談やサポートがしっかりしているものが良いです。医師やスタッフの方々はご多用ですから、使い方が難しく操作・運用方法の習得にかなりの時間を割いて、スタッフさんの負担を増大させてしまっては本末転倒となります。

また、予約システムのデザインはシンプルで簡単そうなものであるほど、患者さんの利用が促進される傾向にありますので、そういった点も気にかけていただけるといいかと思います。

【メーカー担当者が解説】「3Bees」「MEDICALPASS」それぞれの特徴

予約システムの具体的なサービスの特徴を、各担当者に解説してもらいます。

3Bees:経営分析ツールやメッセンジャー機能など、多種多様な機能で理想のクリニックの実現をサポート

Q. 「3Bees」のポイントを3つ教えてください

・オンラインで順番どり・診察予約・時間帯予約に対応
・患者様は来院前にクリニックホームページで待合室の混雑状況が把握できる
・オンライン予約時、患者様に安心の問合せ専用ダイヤルを設置。受付さんの業務を軽減

牧内さん
「待合室が混み合うので、患者様の待ち時間の不満を減らしたい」という要望はもちろんのこと、曜日や時間帯での患者数の波が激しかったり、患者数の減少に悩まれていたり、「予約と直来の患者様の両方にご来院いただき、双方うまく運用したい」とお考えのクリニック様におすすめです。

また予約システムを導入することで、患者対応におけるスタッフの負担や人件費も軽減可能です。

ほかにも、レセコンや電子カルテの情報を経営に活用できない、といった悩みをお抱えのクリニック様には、レセコンや電子カルテ、予約システムと連動したクリニック経営分析ツール「Beeコンパス」も提供しております。

昨今では、予約システムを導入することで待合室の混雑を解消し、滞在時間を減らすことができるため、「ITで感染症対策をしたい」というニーズにも対応可能です。

Q. 料金を教えてください

牧内さん
初期費用は62万5,000円〜、月額費用は1万2,000円〜です。

あわせてiPad自動受付機を導入いただく場合には、導入費38万5,000円〜となっております。

Q. 利用者からはどのような意見・感想がありますか?

牧内さん
順番管理システム「Bee順番管理」を導入いただいたクリニック様からは「混雑状況(現在の待ち人数など)をホームページで開示するようになった結果、患者様が混雑時間帯を避けて来院するようになり、待ち時間が短縮された」と聞いています。

診察予約システム「Bee診察予約」については、「患者様が24時間いつでもインターネットで予約を取れるようになり、利便性が向上。結果として、新規の患者数も増加した」とのお声もあり、増患につながるような効果が見られたようです。

また、利便性でいうと、「Bee診察予約」では予約時に患者様が「来院目的」を入力いただけるので、クリニック様としては事前に準備ができて良い、との評価もございます。

そのほか、「待合室の混雑緩和や待ち時間の短縮が、新生活様式の実践にも大変役立っている」とのことでした。

患者さんからも
「家にいる段階でホームページを見れば、どれだけ混んでいるのかわかるので、それに沿って予定を立てられる」
「仕事の都合上、平日の日中に診察予約をすることが難しいが、24時間予約が可能なので、終業後に休日の診察予約を入れることができて助かっている」
「予約選択画面が見慣れているカレンダー表示なので、カレンダーを見ながら直感的に予約をとることができる」
といった声をいただいております。

「3Bees」の機能(一部抜粋)

参考として、以下に「3Bees」の機能を掲載。内容や詳細については、「3Bees」公式サイトよりお問い合わせください。

機能概要
Bee患者自動受付機
iPad版は小型かつフレキシブルな設計で、来院患者のうちで最も多い「再来患者の受付業務」を自動化。患者さんの待ち時間を短縮するだけではなく、受付業務を大幅に効率化できます


Beeメッセージ
増患とアドヒアランス(能動的な治療・服薬遵守)向上を促すメッセンジャー機能。
次回来院日の目安や患者様への説明内容、療養上のアドバイスなど、大切なメッセージを先生から患者様に直接手渡しすることで、再受診率が向上します

Beeコンパス
クリニック経営分析ツール「Beeコンパス」は、1日ほんの数分の業務日報入力と、月次のレセコンデータの取り込みにより、クリニックの経営上重要な「経営」と「業務」のデータを見える化できます。

過去の実績や将来予測と現状を比較することで、業務や診療プロセスが抱える課題をあぶりだし、改善を促します

Bee患者満足度調査
iPadを使った患者満足度調査では、従来の紙の患者満足調査では大きな負担だったデータ入力や分析の作業を一切することなく、手軽に患者満足度調査が行えます

予約枠の個別設定
予約枠の長さを選択できるほか、予約枠ごとの人数や個別枠のブロック、オンライン予約の設定も簡単に行えます

複数診察予約帳
一つの施設内で診療科や診察室、検査、ワクチン接種、処置等目的別の複数の予約帳を作成できます。予約帳ごとに予約枠の長さや1予約枠あたりの患者数、オンライン予約のON/OFF等の設定が可能です

オンライン予約時には、患者さんがご自身で予約帳を選択して予約ができます


Bee診察予約の標準機能「来院目的」
オンライン予約の際、患者さんにフリーのテキスト欄や事前に設定した項目で来院目的を入力いただくことで、簡易な事前問診として利用できます

複数診察室表示複数の診察室や診療科ごとに、順番表示画面を管理・表示することができます。受付時または受付後に診察室を割り当てると、該当の診察室の順番表示画面に番号が表示されます
自院ホームページに待合状況表示機能
自院のホームページに待合状況を表示できますので、患者さんは院外から確認ができ、事前に待ち時間の目安がわかります


プッシュ通知機能
院外にいるオンライン順番どり済みの患者さんに、診療の順番や時間が迫っていることをメールでお知らせできます

電子カルテ連携
多数の電子カルテやレセコンシステムとの連携実績があります。連携内容につきましては、メーカーさんにより異なりますのでお問い合わせください

MEDICALPASS:洗練された画面デザインと、直感的に使えるシンプルさを追究した、みんなに優しい診療予約システム

Q. 「MEDICALPASS」のポイントを3つ教えてください

・クラウド型のシステムにより、患者さんの来院コントロールが可能
・操作が簡単でシンプルなデザイン。さらに、専門アドバイザーが導入をサポート
・各種電子カルテとの連携、ワクチン管理、順番待ち・時間制の予約管理が可能

森井さん
患者さんの来院をコントロールして業務の円滑化を図り、患者さんとスタッフさんの両方の負担を軽減したいクリニック様におすすめです。

「MEDICALPASS」は見た目のデザインにとどまらず、操作が簡単で直感的に使えるシンプルさを追究しており、習得に時間をかけずに導入することが可能です。専門アドバイザーが使い方を説明する前に使いこなすクリニック様もいらっしゃいます。

Q. 料金を教えてください

森井さん
初期費用45万円~、月額費用は1万8,000円〜となっています。

また、電子カルテ・レセコンとの連携や自動電話受付機能の有無などで「Lite」「Standard」「Premium」の3プランをご提供しておりますので、ご自院に合わせたプランをお選びいただけます。

Q. 利用者からはどのような意見・感想がありますか?

森井さん
クリニック様からは導入後、混雑のピークが解消され、患者さんが待合室で待つ時間を減らすことができた。それに伴い、診察もスムーズに進むようになり、患者満足度にコミットした医療の一助となった、といった声をいただいております。

患者さんからも、来院せずに簡単に予約でき、家からでも待ち状況を確認できるため、待合室で待つ時間が短く院内感染の不安も少ない、と好評です。

「MEDICALPASS」の機能(一部抜粋)

参考として、以下に「MEDICALPASS」の機能を掲載。内容や詳細については、「MEDICALPASS」公式サイトからお問い合わせください。

機能概要
クラウド型
院内サーバ設置が不要のため、設置スペースや導入後の電気代、老朽化対策などの維持管理が必要ありません

セキュリティ
不正アクセス対策、マルウェアやウィルス対策、データ暗号化など、各種セキュリティ対策を施し、安心して利用できる環境の構築に努めております

プライバシーマーク
JIS Q 15001 個人情報保護マネジメント要求事項に適合しております

電子カルテ・レセコン連携
各社30機種以上との連携実績があります

お知らせ機能
患者様にメールや電話で受診時間が近づいたことを、自動的にお知らせすることができます

ワクチン受付管理
接種間隔スクリーニング、簡易在庫管理など、ワクチン接種の多い小児科のニーズに対応しております

スマートフォン対応
ご高齢の方にも簡単に使えるよう心がけております。そのため、80歳代の方にも利用していただいております

※本記事の情報は、2020年8月13日時点のものです。

その他クリニック向け予約システムを紹介

ここからは「CLIUS クリニック開業マガジン」編集部が調べたクリニック向けの予約システムをピックアップしていくつかご紹介します。予約システム選定の際には、ご参考にしてください。

・ドクターキューブ
・メディカル革命 by GMO
・Airリザーブ
・ヨヤクル

なお、以下の情報は各サービスの公式HPなどの情報を元に掲載しております。詳しい内容等につきましては、各メーカーに直接お問い合わせください。

(文責:「CLIUS クリニック開業マガジン」編集部/最終更新:2020年8月13日)

ドクターキューブ

全国的に支社を持つドクターキューブ株式会社が提供する予約システムで、1999年に第1号が開発されて以降、展開されている人気のシリーズ。カスタマイズ性の高さなどから評価を確立しています。

[メーカー]
ドクターキューブ株式会社

[料金]
要問い合わせ

[主な機能](一部抜粋)
「院内表示ディスプレイ」
「各種診察券」
「自動音声予約」
「予防接種予約」
「病児保育予約」

[公式HP]
https://jtc.doctorqube.com/

メディカル革命 by GMO

東証一部上場企業・GMOインターネットのグループ企業であるGMO医療予約技術研究所株式会社が開発する予約システムで、「LINEで予約機能」や「キャンセル待ち機能」といったオプション機能も充実。

[メーカー]
GMO医療予約技術研究所

[料金]
初期費用 20万円〜
月額基本料 2万円〜

[主な機能](一部抜粋)
「LINE予約」
「連鎖予約機能」
「電子カルテ連携」
「再来受付機」
「QRコードチェックイン」
「おまとめ診察券」

[公式HP]
https://medical-reserve.co.jp/

Airリザーブ

リクルート系列である株式会社リクルートライフスタイルが提供する総合的な予約システム。クリニックだけに限らず、さまざまな業界で活用されている。0円から始めるプランなど、気軽に試せるのも嬉しいポイント。

[メーカー]
株式会社リクルートライフスタイル

[料金]
フリー 月額0円
ベーシック 月額5,000円
プレミアム お問い合わせ
ベーシック・プレミアム導入時には、初期費用が発生

[主な機能](一部抜粋)
「次回予約機能」
「ネット予約受付」
「顧客管理機能」
「リソース管理機能」
「キャンセル機能」
「複数店舗管理機能」

[公式HP]
https://airregi.jp/reserve/industry/industry_02.html

ヨヤクル

自動音声電話予約や順番・日時指定混在予約、医院からのお知らせ通知、インフルエンザ予約など、多彩な機能を備えている予約システム。株式会社ヨヤクルが手がけている。また、予約システム内にWEB問診機能も備わっている。

[メーカー]
株式会社ヨヤクル

[料金]
月額 9,000円〜
初期費用 16万円〜

[主な機能](一部抜粋)
「自動音声電話予約(CTI)」
「当日/未来の順番予約」
「予約優先機能」
「バーコード受付」
「お知らせ機能」
「インフルエンザ予約」
「WEB問診」
「統計システム」
「複数科目/複数医師設定(無制限)」

[公式HP]
https://www.yoyakuru.jp/

牧内 啓行

株式会社メディ・ウェブ 3Bees事業部 | 牧内 啓行

元電子カルテメーカーで管理職まで務める。予約システムだけでなく経営分析、業務改善提案までできる3Bees製品を大変気に入っている。20年以上の営業経験をもとに、クリニックにおいて最適な予約システム導入のアドバイスを行っている。


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森井 洋

UnKnot株式会社 MEDICALPASS事業部 | 森井 洋

ICTに纏わるシステム全体設計を強みとし、現在、医療ICT・リーガルテックを中心に、専門家グループで事業を推進。これまでに幾つもの新規事業起ち上げに携わり、大学在籍中のスタートアップ参画、旧ソフトバンクグループ、MOVIDA JAPAN Inc.を経て、2013年にUnKnot Inc.を設立。東京大学工学部卒業、同大学大学院工学系研究科修了。


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